概要
白昼夢のような
お節介気味の彼と、どこから来たのかも分からぬ女性。二人が行き着いたそこで、答え合わせが行われる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★ Good!モノクローム写真を一枚ずつ描いた一作
『夢にカラーが付いている人はさほど多くない――夢の記憶に色付けしているだけだ』
この小さな物語は、モノクロフィルムで焼き付けた写真をピン留めしたあとに書かれる一筆書きを巧妙に並べたかのような感がある。
それは、ともすれば。物語のそれぞれの部分が、バラバラになっているかの様に思える。しかしそれは直ぐに間違いだと気付く。この作品は現在進行形なのではない。主人公である「僕」のつい先ほど体験した、ほんの僅かな過去を遡りながらルーズリーフに必死に書き留めている。そんな小説だ。
だから直情的で、しかし文芸的なのだと言えるだろう。
ただ、作者さんが慣れていないのか。唐突に差し込まれる「おそ…続きを読む