ファンタジーにおける医師の立ち位置

現代医療の知識と経験と技術「だけ」しか持たない主人公が、魔法医療の世界で隙間産業的な医師として生きてゆく。

圧倒的な即効性と効力を持つ魔法と、環境がなければ出来ることの限られる医師。

魔法で人を癒す医術師達も現状に満足することなく、治療技術の発展を目指している者はいるのだけれど、その方法として「主人公の側で医療技術を学び取り込む」考え方と、「敢えて離れなれけば魔法独自の発展は見込めない」考え方があるのが面白い。

知識量以外のアドバンテージが無い主人公も、過渡期の存在として在るだけでなく、現地の医療発展に貢献しようとしていたり──在る物、与えられた物を使うだけでなく、地道に発展させることを考える登場人物達に好感が持てる話。

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