ファンタジー × 診療所モノの傑作

下知識のいらない、シンプルな導入からはじまり、徐々に深まっていく物語に引き込まれていく。魔法と現代知識の対立はこの手の物語の大きなテーマだけど、どちらも貶すことなく、うまく撚り合わせていくのはとても大人なストーリーテリングだと思う。あるいはもしかしたら、魔法のように高度な技術となってしまった現代医療と町医者の哲学、との折り合いの付け方がここにはあるのかもしれない。
世界観についても、RPGのように現実性を単純化させていながらも、どんな世界でも根底に通ずる人間社会の性を当てはめているようで、ファンタジーに興味をもたれない方でもこのドラマを楽しめると思います。逆に、そういったファンタジーに慣れ親しんだ方は、妙にままならないところのあるこの世界観がくすぐったく、興味をそそられるのではないでしょうか。

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