いつか待ち望んだ青い春は、一番遠くて一番近い場所で、僕を待っている。

巻き込まれ体質の主人公・南くんが、幼馴染である残念美少女・春待さんの恋人探しに協力する、青春どたばたラブコメディです。

メインの二人はもちろんのこと、完璧イケメンにして唯一の良心・高嶺くん、ただただモテたいハッピーボーイ・五月女くん、ちょっぴりズレたキュートガール・夕顔さん、春待さんの実姉のフェロモン姐さん・無垢さんなど、周りを取り巻く人々も個性たっぷり。
行ったり来たり、一筋縄では行かない彼らの青い春は、一体どこへ向かっていくのか。

なぜ、春待さんは「普通の」恋がしたいのか。
それが本作のテーマを紐解く大事な鍵になっています。
同じ時代に生まれた人同士であっても、想いを通じ合わせるのは難しい。そうでなければ尚のことです。
だとしても伝えたい想いがあるとすれば、それは何よりも強く確かな力なのかもしれません。

笑いあり、切なさあり、熱い想いあり、そして最後は長い冬が終わって春が訪れたかのような、とても爽やかな読後感でした。
面白かったです！