第6話 【地の文に工夫している点はありますか? 】
まず、死んでいく人の一人称にしたことです(理由は後述)。
それから、他の作品でもそうですが、「重い内容ほど文章は軽く」を心がけています。この話、間違いなくテーマが重いので、特にそれを意識しました。
このテーマで文体が重いと、読むのも書くのも辛すぎます。
人称についてですが、バヤズィットの一人称にしたことで、適度に視野を狭くできたと思います。三人称にすると、説明しなくてはならないことが増え、彼の追い込まれた感じが薄まってしまったかと思います。バヤズィットの知らないこと(イブラヒム・パシャの死の真相とか)を書かなくてもいいというのも、いいですね。
この話、歴史物である以上、大筋は決まっています。バヤズィットは処刑は回避できませんし、するつもりもありません。そういう話ですが、「死ぬ前にどんな心境の変化があるのか」「物語の最後はどこで終わるのか」が創作のほぼすべてです。そこでハッピーエンドにするために、一人称を選びました。人はどんな形であれ必ず死ぬわけで、それを悲劇と感じるか、何らかの救いを見出すかは主観でしかないのです。だから、この話は処刑される本人の一人称以外では成り立たないと思って書きました。
以上です!
興味を持って頂けたら幸いです。
【自主企画】カクヨム作者はカク語りき 崩紫サロメ @salomiya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます