「純文学とライトノベルの違い」
このタイトルで、自主企画があり、何か書こうかなーと思った結果、評論ではなくて、小説になりました。(タイトルは指定なので、「純文学とライトノベルの違い」です)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885644620しかも『県知事様はライトノベルが書きたい』の外伝という形(笑)
相当イレギュラーなのに、早速たくさんのリアクションを頂き、嬉しい限りです。本当にありがとうございます。
というか、自分史上最速のPV回転なんですが(笑)
タイトルからエッセイだと思ってきた方、すみませんでした(笑)
さて、あとがきにちょっとだけ書いた、中世日本のライトノベル(?)について補足をしておこうと思います。
源氏物語のように、女性による長編小説は有名ですが、その後も、宮中の女房による物語はたくさん書かれています。しかし、源氏物語ほどクオリティの高いものではないので、学校の古典などで扱われることはほぼありません。
が、面白いのです。
有名なものでは『とりかへばや』。
女の子のような男の子と、男の子のような女の子を、兄妹を男女入れ替えて育てる、というものです。
氷室冴子さんやさいとうちほさんによりライトノベルや漫画になっているのでご存知の方も多いと思います。
男装女子、女装男子がそれぞれ宮廷や後宮で波乱に満ちた日々を送るというのは、まさに、現代のライトノベルの主題としてありそうですが、すでに鎌倉・室町時代にありました。昔から日本人って同じようなこと考えてるのね、と思いました。
笠間書院から「中世王朝物語全集」というのが出ているのですが、『とりかへばや』、『夜寝覚物語』など他の古典文学全集に入っているものだけでなく、ここでしか読めないような、マイナーな、しかし面白い物語が入っています。
その中で私が好きなのが『我が身にたどる姫君』です。
時はパラレル平安時代。皇后と関白の密通から生まれた姫君を主人公とし、密通と近親婚のオンパレードのようなドロドロ展開です。
とても高尚とは言えない話なんですけど、展開が面白くてつい読んでしまいます。
女好きな斎宮とか、高潔な女帝、女帝を慕う皇后など、とにかく、女性が楽しむために女性が書いたんだろうなあ、みたいなキャラ設定。
正直私、「コバルト文庫でこういうのありそう……」って思いました。
コバルト文庫は集英社の「少女向け」のレーベルですが、まあ、「大人になった少女」も対象としている感じですね。
少々高いですし、なかなか流通していませんが、図書館などで見つけたら、手に取ってみて下さい。
ライトノベル論、補足でした。