青い理想の賭けが始まる

 こんなところで終わるの!?というのが第一の感想です。
 現代の社会問題となっている格差社会がさらに推し進められ、教育と就職の機会の不平等が当たり前となった近未来という、悲しいかなありうる世界観にまず引き込まれ、一気に読みました。
 そんな細かく作り込まれた世界観なのに、説明が長ったらしく読みづらくないのがいいですね。世界の説明と美鈴の経緯の説明が見事に一体になって、うざったくない。冒頭の麻雀や葛飾の職業も、後から考えると、ラストのための伏線なのでしょうか。最初から最後まで、上手く設定と場面が噛み合っていると思います。そして美鈴ちゃん可愛い。

 大志を抱いた少女の物語の序章で終わっているのが少し残念ですが、それはそれで、でこぼこな二人の今後を想像する余地があるということでいいのかもしれません。