設定集を小説の域に持ち込んだ前代未聞の作品

とにかく驚いた。
何が驚いたって、この作品の世界観だ。

物理法則に則った理論の構築によって、物語世界を設計している。
まて、物理? そんな生易しいものではない。
数学に化学に生物学に天文学に……量子論にまで言及していた。

「魔法」を「都合のいい奇跡」とせずに、その法則や原理を現代科学とプログラミングに置き換えて、明快に解説して行く様はまさに圧巻。

これは物語であると同時に、壮大な『設定集』と考えていいだろう。
むしろ『設定集を小説として昇華させたもの』と言っても決して過言ではないと思う。
今までこのような切り口の小説があっただろうか。これはもしかすると、新たな小説の形態として確立するのでは……という予感さえ。え。え。えええ?



ところで。
あなたは自分がプログラムされた存在でないという確証はありますか?

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