グリーン・ウィル

作者 星崎ゆうき

72

26人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★ Very Good!!

純粋なSFホラー作品。
説明と描写が丁寧で読みやすく、10万文字スラスラ行けました!
作品が進むにつれ心とは何かと問い埋めていく哲学的要素が盛り込まれているため、ただのバイオテロではなく、テーマ性ある作品で好印象でした。

SF作品好きな方にオススメの作品です!

★★★ Excellent!!!

 読者は「グリーン・ウィル」という言葉に込められた意味を考えずにはいられないでしょう。

 新時代のバイオエネルギーを生み出した天才たち。そして、失われた愛する女性の命。始まる、謎の停電事故。
 近未来を舞台にしたバイオ&エネルギー産業を舞台にしたサイエンス・フィクション。

 飛び交う専門用語に、哲学的な議論。細部を指摘しだすと、いろいろとツッコミどころは無きにしもあらずですが、カクヨムのWEB小説にして、その思想的、哲学的なところに、踏み込んでいこうというのは、意欲的と言わざるを得ない作品。

 端的に言えば、「星崎節」――今回も健在なり!

 ラストは問題解決に向けてのノンストップアクション。
 熱い物語になっています!

 ちなみに、ストーリーのコア部分に於いて、「パラサイト・イヴ」へのリスペクト(もしくは、オマージュ?)では無いかと感じられる部分がありますので、「パラサイト・イヴ」好きな人はそのあたりも愉しめるかもしれません。

 星崎節。2018年シーズンの集大成。ここに誕生!(ですよね!?)

 

★★★ Excellent!!!

最初は、近未来の、ほのぼのながらも影のある主人公の日常のお話なのかな…と思って読み始めましたが、後半の急展開に心を鷲掴みにされました。
全容が掴めない大きなパズルのピースが、途中から急にさくさくとはまっていって、どんどん答えが見えてくるような感覚が痛快でした。

日常のリアルな近未来から、一転してハードな展開へ…このテンションの急勾配は、星崎先生ワールドの醍醐味かと!
是非オススメです~

★★★ Excellent!!!

SFと言うと小難しい印象を受けて、敬遠してしまう人もいるかもしれません。実際、ハードSFの一部には超高校級レベルの予備知識がないと理解ができない作品もあります。ただ、本作においては、専門的なものもありながらも可読性が保たれているどころか高いレベルを維持できるというのは、ひとえに作者の文章力が秀でているお陰でしょう。

さて、SF小説では、現実にはない架空の技術などが登場し、社会が様変わりした姿が頻繁に描かれています。けれども、SFのエッセンスとは架空技術の素晴らしさではありません。その技術によって人がどう感じ、社会がどう変わるかです。良いSF小説とは、現実にない道具立てを使うことによって、全く新しい角度から人間というものを浮き彫りにしてくれるものなのです。そのような作品は間違いなく読み手の情動に響き、永く記憶に刻まれるものとなるのです。

そして本作は間違いなく、その条件を満たしている作品と言えるでしょう。現実の科学と架空の科学の境界線は融けて見えなくなり、それら科学はすべて人と、社会と繋がっています。そんな本作を読んでいると、ときに本作のジャンルがSFであることを忘れそうになります。だからこそ読み手は登場人物の考えに寄り添い、心情に共感し、作者が描こうとした人間というものイメージを鮮明に受け取ることが出来るのです。そして、読み終えた後に胸に吹き込む優しい風は、あなたの涙を拭ってくれることでしょう。

SFを敬遠することなかれ。SF好きの人はもちろん、SFは苦手という人にも、本作は等しく新しい風を教えてくれるものなのです。

★★★ Excellent!!!

次世代発電システム、その名は「グリーン・オルガネラ」
クリーンで安全なエネルギーは、国際展開も含め社会へと広く浸透し、人々の生活を支える大切なエネルギーとなるのだが――。

現実と幻想。その境目にあるもの。
虚構と現実。境界線が分けるもの。
寄生と共生。ふたつを区切るもの。

本当に正しいことってなんだろう
本当の正しさとは存在するのか?
願いと心。希望と夢。思いと想い。

夢が現実そのものであると気付いた時、君はどうする?

人が人として生きていくとはどういうことなのか。
いくつもの大切な問いを胸の中に浮かべながらの最終話、涙がこぼれました。


揺るがない意志は人の心を打つ。

そしてその空色はきっと暖かい。
いつも。いつまでもこの先もずっと――。




本当に、ありがとうございました!!!




★★★ Excellent!!!

 人間にとって必要なエネルギー生産の問題と、人の主体性について論じた作品。
 次世代の安全なエネルギーとして利用されている、グリーン・オルガネラ。そのシステムを生み出したのは、女性一人と二人の男性の天才三人組。
 物語は天才の一人である主人公が、幻覚に悩まされて通院しているところから始まる。主人公は理解ある職場で、通院しながらもささやかな日々を送っていた。
 しかしある日、突然、安全なはずのグリーン・オルガネラは停電を起こす。そして、グリーン・オルガネラに行きつくまでの過程で、ある爆発事故のために一人の天才が命を落としていることが判明する。そこから問題はエネルギーだけではなく、寄生と共生の問題をも引き起こす。寄生されているならば、主体性は寄生している側にある。では、共生では? はたして、共生と寄生の境目は?
 それを問いかけるのは、かつての仲間の姿をした幻影であり、「意志」の塊。
 果たして、主人公が出した答えとは――?

 専門用語が多く、また、哲学的であるため、この作品は簡単に読めるとは言い難いかもしれない。それは、小生が単に力不足なのかもしれない。ただ、この作品を呼んでいて、「難しい」よりも先に、「美しい」と感じるのだ。ここまで表現力が豊かな作品は、希有だ。読んでいて感動して涙が出るくらい、表現の美しさが際立っているのだ。だから、難解なのは……、と思わずに、とりあえず読んでみてほしい。そうすれば、小説の内容もさることながら、文章表現の美に酔いしれるだろう。構成力もしっかりしているし、専門知識が豊富な作者様の作品である。読んで損なわけがない。

 是非、是非、ご一読ください‼

★★★ Excellent!!!

自分は硬い話は紙でライトなのは画面でっていう風になんとなく分けて考えてたんですが
この物語は硬い(あるいは難解な)と思われる作品を画面で読むのも良いなと思わせてくれました

物語が提示されて、それについて何かを考えたくなる
その上、考えを記述したくなる
そんな作品だと思いました


二十五話時点で

現実や常識、そういったものにあるものを加えたとき、もしくはそういったものを深く考えたときに現れるものを描いているように思いました

それらはときに不気味で(少なくとも私はそう感じて

元になった現実や常識を切り崩し、食いつぶすような気さえします

グリーン・オルガネラはそういう現象を象徴しているようにも

また、そうなるために明かさせるものと、それを観測すべき術や地点がわかるべきにそれと理解できるように示されている気さえします

最終話読了時点で

ウィルの出現とその終末がこれまでにない速度で展開されています
これまでとはちがい『明確な終点』が示されているように思います
それは物語の終わりにつながるもので、エンディングの形だと思います

ウィルの目的とその達成を提示すること、のやり取りは、それまでこの物語の奥底に仕込まれていたものがせりあがってくるような気さえしました