可愛らしい微生物は聖夜に魔物と化す

ボルボックスという名の緑の微生物。丸っこくて愛らしく、見ようによってはクリスマスの飾りつけに見えないこともない。
本作はそんなボルボックスを愛する男性が主人公。

クリスマス・イヴの夜にもかかわらず、ボルボックスの研究を続ける男。
そんな彼が聖夜に目にするボルボックスの変化とは?

クリスマスの夜に突如現れる怪物という、ある種のモンスターパニック作品なのですが、本作ではボルボックスの生態や見た目を巧みにストーリーに組み合わせて、ボルボックスとクリスマスならではという独自の物語を作り上げており、短い文字数の制限の中で見事に起承転結を決めた短編に仕上がっています。

(クリスマス×あなたが考えるクリスマスともっとも縁遠いもの/文=柿崎 憲)