出産は奇跡の重なり。一人の女性の、妊娠から出産までのエッセイです。

 題名に「ポンコツ主婦」と書かれていますが、「ポンコツ主婦」の話ではありません。確かに、お酒に酔ってしまい夜遅く座り込んだ路地で、「話す自動販売機」に出会いほっこりしてしまった話や、ゲームやなろう系小説にはまった話などはくすっと笑えますが、妊娠と出産に関しては至って真面目に書かれています。

 まず@muuko様のエッセイを読むと、妊娠がいかに難しいことかを思い知らされます。

 妊娠できるチャンスは、年に十二回。
 多いようで少ない回数の中で、生理が来てしまえば妊娠できなかったことが分かります。それがひと月、ふた月程度で済むならまだしも、何か月も続けば心身ともに疲弊していくものです。

 その時の状況を、作者様は自身の経験を通して語って下さっているのですが、読者としてはただただじっと見守るしかなく、また子供が生まれてくることに関して、医学が進んだ現代でもまだ人の力が無力な部分もあるのだと感じました。

 また第8話の「【真面目】ポンコツ主婦、妊娠について考える」には何故女性に「月経」というものがあるのかと言うことが書かれているのですが、妊娠をするまでは煩わしいものであったのに、いざ子供が欲しいとなったときはそれが正常に動いている必要があり、その「正常を保つ」ということが案外難しいことなのだと思いました。

 子供が生まれる、というのは一言で言えば簡単なことですが、それまでには本当に色んな奇跡が重なり、時には母親も子も一生懸命に苦難を乗り越えて誕生するものです。それをこのエッセイが教えてくれます。

 幸いにも、作者様は妊娠し無事にお子さんを出産されました。
 苦難があっただけに、とにかく「おめでとう!」と言いたくなります。

 これから結婚や妊娠・出産を考えている方は勿論、高校生の方だって読んでも良いと思います。また、女性だけでなく男性にもおススメです。