ケモノ娘は、激しい!(色々と)


 異世界から進行してきた魔神国を退けた獣人国ケモフルール最強の四天王。そしてその、四天王を束ねる伝説の銀狼姫将軍キャロライン。彼女は救国の英雄にして銀髪の美少女であるが、幼少時に親と引き離された悲しい過去を持つ。

 幼い彼女を十歳まで育ててくれた人間の父親。彼が戦後の獣人国に復興支援の錬金術師として派遣されることを聞いた銀狼姫将軍キャロラインは、狂喜する。

「お義父さまと、ねんごろ(暗喩)になるのだ!」

 ええーっ!

 獣っ娘との、父娘いちゃいちゃモフモフなラブコメかと思いきや、いきなり抜いた! 西紀氏伝家の宝刀、シモネタ! しかも本文手前の解説文で。

 目の前に獣●とか、近親相●とかの禁断の文字がちらつく。いや、血は繋がってないから近親ではないけど。

 ぼくは犬猫のたぐいは飼っていないので知らないのですが、きゃつ等は嬉しいと失禁いたすのでしょうか? いえ、深い意味はございません。ちょっと気になっただけです。

 とにかくキャロラインがお義父さん好き過ぎて暴走が甚だしい。それにつられるように、どんどん堕ちてゆく四天王(全員女性)たち。冷静にリポートしているメイド長。「そっちかぁー」と納得している女王フェンリ三世。個人的には卵のくだりが好きです。

 というような内容のお話なのであるが、本作、じつはファンタジーしても一本筋の通った物語になっている。戦争からの復興。破壊された自然と環境を元に戻すための戦い。破壊ではなく、再生の物語が丁寧に描かれ、再び戦禍を呼ぼうとする敵を殲滅したり、(エステしたり)、救済したりする。

 とくに、第二話クライマックスの、キャロラインの銀光メイド・キックから、「おとうちゃん」の辺りの展開は熱い。『噂の刑事トミー&マツ』を思い出したアルヨ!

 獣人国を描く世界観がきっちりしていて唸らされる一方、そのクオリティーで獣人たちの性癖まで丁寧に描かれている熱の入れよう。そこに切り裂くようなギャグがガンガン挿入され、熱いバトル、魅力的なキャラクター、人生の教訓もちらりと入り、振り幅も半端なし。

 素晴らしくエロい、いや楽しいお話を読ませていただきました。

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