概要
――――完結のために描いた群像劇は、また筆を執るきっかけとなった。
この年、還暦を迎えたことをきっかけに、北川初子は長年の教師生活にピリオドを打った。……それはまた、胸の中に秘めていた、ある生徒とのお別れを意味していた。そして歴史が繰り返されるように、同じ桜の季節の中を、娘の瑞希が同じ道を歩み始めた。これも運命なのだろうか? 瑞希がこれから出会う君たちの何気ないエピソードが、編み物の糸のように繋がって、今ここに、かけがえのない一つの物語に仕上がっていく。『母から子。時同じくして父から子へと。この子たちの出会いがあるからこそ……』