一途な少女の力を見よ……! 月波劇場開幕!

 一途な少女が男の子の浮気にあってドロドロした中で、少しずつ前に進む。
 そんな話を得も言われぬ力で紡ぎ出される物語、それが作家月波結氏の個性であり、月波劇場とでも呼ぶべきものではないかと思っております。

 本作は、作家、月波結の渾身の一作と言えるのではないでしょうか?

 彼氏の要から一方的な別れを告げられた由芽。一途で尽くすタイプの由芽から要を攫うのは少し派手で、これまでの二人のノリとは違う世界の女性。
 でも、カースト上位な女性の彼氏になれることに要は浮足立つ。

 別れまでは「17日」。
 17日後に別れることが前提から始まる恋愛物語。この舞台設定だけでも、かなりのインパクトがあります。その中で、鬱々と、ドロドロと、そして、どこかでキュンキュンとした、日常と、張り詰めた心と言葉の応酬をつなげていくのは、さすがの月波劇場。
 物語構成上のもう一つのポイントは、17日がまず由芽視点で描かれて、そのあと、要視点で描かれるというところ。
 この要視点の物語の運びでも、僕は驚きました。裏の裏をかかれたような感じです。これを話してしまうと、ネタバレになってしまうので、ググッと我慢。

 さて、表と裏の「17日」それを過ぎた後に、二人が出す結論とは?

 是非、みなさんも月波劇場で描かれる心の機微に翻弄されてください。
 

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