秋保さんの長編は三本読みましたが、今回は特にヒロインがよかったです。この作品、随所に読者を飽きさせない工夫が織り込まれていて(主に脱ぐという点んで……)ついそっちに目がいってしまうのですが、しかし…続きを読む
魑魅魍魎は、都の外だけにあらず、御殿の中にも渦巻くもの。 愛憎にて編まれた籠より飛び立てぬ蝶の、その羽に刺さりし針を抜くのは、木か岩かと言わんばかりに無骨な男の指先か。 政に翻弄され、望ま…続きを読む
政略結婚から始まった二人――帰蝶と義高。最初はそのせいで、二人はなんだかぎこちない。帰蝶はなかなか素直になれないし、逆に義高は直球すぎて帰蝶を怒らせてしまう。けれど、その向けられる想いに、だんだんと…続きを読む
将軍のおわす花の御所。咲く花々、美しい衣裳や贅を尽くした器物。雅な宴や催し物。ヒロインの帰蝶は御台所の養い子の一人。教養やたしなみ、芸事を一通り仕込まれ、富貴な生活の代償として、彼女を含めむすめ…続きを読む
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