すべての道はもやしに通ず

 運命を受け入れ、我輩は風の赴くままに転がった。

 そのさきは、意外と柔らかかった。運良く土に辿りついたようだ。周りは少しずつ明るくなっていく。朝だ。

 我輩はずっと日陰で暮らしていた。朝の光がこんなにも美しく、眩しいものだとは知らなかった。

 我輩は誰かに食される道は閉ざされている。

 しかし、新たな道が開けた。

 

 ここで芽を出そう。そして豆となるのだ。


 すべての道は吾輩とつながっている。

 人間よ、忘れるな。

 我輩はもやしである。

 名前はもやしだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

我輩はもやしである 今晩葉ミチル @konmitiru123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ