すべての道はもやしに通ず

 運命を受け入れ、我輩は風の赴くままに転がった。

 そのさきは、意外と柔らかかった。運良く土に辿りついたようだ。周りは少しずつ明るくなっていく。朝だ。

 我輩はずっと日陰で暮らしていた。朝の光がこんなにも美しく、眩しいものだとは知らなかった。

 我輩は誰かに食される道は閉ざされている。

 しかし、新たな道が開けた。

 

 ここで芽を出そう。そして豆となるのだ。


 すべての道は吾輩とつながっている。

 人間よ、忘れるな。

 我輩はもやしである。

 名前はもやしだ。

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我輩はもやしである 今晩葉ミチル @konmitiru123

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