自動人形は魂を宿すか? 近未来ハードアクションSF!

アンドロイドに心は芽生えるのか? AIが高度に発達したならば、彼らと人間とを隔てるものはあるのか?
フィリップ・K・ディックを引き合いに出すまでもなく、それはSFというジャンルが伝統的に挑んできた命題の一つ。この小説はその系譜に連なる作品です。

機巧が社会に浸透しつつある時代の陰で、殺しのために産み落とされた生体機巧「ヴォストーク」。
政府機関が運用するヴォストークの一体「黒猫」は、日々戦いに身を投じながらも、創造主である博士や任務の中で出会った人間との交流を送っていきます。
しかし、政府と企業とを巻き込んだ陰謀は彼女の周囲にも襲いかかり……。
といった具合に、緩急のある展開で読んでいる者を飽きさせません。獲得しつつある感情とマシーンらしい冷徹さの間で無自覚に揺れる黒猫の様子は必見です。

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