シンドローム解説:ブラム=ストーカー

【ブラム=ストーカー】

できること:白兵、射撃、RC、デバフ


全般的に、従者含めて「エネミーが使うと強いがPCが使うと何かしらが枷になる」といったことが多いシンドローム。初心者が扱うにはいささか癖が強いかもしれない。

能力値は【感覚】に偏っているが、白兵射撃RCの全てが可能で火力もトップクラスに盛れる。侵蝕率も大抵は緩いのだが、血を操るだけに代償としてHPを消費することが多い。

ダブルクロスのHP消費には「消費後のHPが0以下になってはならない」という制約があるのだが、これこそがブラム=ストーカーの厄介な点である。

例えば《滅びの一矢》(HP2消費)の使用には現在HPが3以上である必要があり、直前で《リザレクト》を使用した場合、その出目が1か2のときは使えないという事態になる。

ユニークアイテム「造血剤」を常備化するか《リザレクト》をLv2にすれば余程出目が悪くない限り解決されるが、いずれにせよ経験点5点前後を割く必要が出てくる。


とにもかくにも《赫き剣》の存在が大きいため、白兵系のシンドローム全般と相性がいい。BCで《赫き猟銃》が追加されてからは射撃屋でも大暴れできるようになった。

一方でRCは強みとなる武器がないもののデバフのばら撒きに長けており、《ブラッドウェブ》や《蝕む赤》といった妨害系エフェクトで嫌らしくHPを削っていく。

そして何故かC値を増やすエフェクトが2つもあるので、行動順を調整すれば両方積むことで敵の命中判定をボロボロにすることだって不可能ではない。とことん嫌らしい。

反面、防御力はそれが軽視されがちなダブルクロスであっても心許ない。HPを回復する手段は無駄に豊富だが、それ以外は割と抜かれやすい装甲を伸ばす《赫き鎧》程度。

なお、従者については色々とややこしいのでこの項目ではあえて割愛する。いずれ改めて解説をする予定なので、ここではそんなものはなかったと思って読み進めて欲しい。


ユニークアイテムは先述したIC掲載の「造血剤」が強い。使い捨てであるものの、あろうことか経験点5でエフェクトによるHP消費を踏み倒せてしまう。

リザレクトの出目が振るわなかった時の保険にしてもいいし《赫き剣》や《赫き鎧》をより手軽に扱える。もっとも、他のアイテムはいささか微妙な効果だが。


・Dロイス

例によってシンドローム専用のDロイスが2つ。それぞれ専用エフェクトを取得出来る「吸血鬼」と「黄昏の支配者」。どちらもかなり使い方を選ぶ。

「吸血鬼」は味方のロイスを守ることができるが、復活のタイミングがセットアッププロセスであることが難点。従者が使えなくなることは別に忘れてもいい。

もう一方のDロイス「黄昏の支配者」は従者関連なのでここでの解説は保留する。いずれにしても上級者向けであることに変わりはないが。


・ピュアブリード

回復はできるがガードには乏しく、HP増強は手間がかかる。強力な武器を作れるが移動手段は一般エフェクト頼りで「超血統」と両立困難、と弱くないが何かが欠けていることが多い。

ただしRCだけは範囲化や高係数のダメージソースが揃っているのでピュアでも十二分に機能する。

ピュア制限エフェクトはシナリオ1回限りだが係数10のHPダメージの《滅びの遺伝子》、そしてHP消費を軽減する《紅の王》。

前者は攻撃を受ける必要があるが、そもそもピュアブラム自体が防御特化でするべきものではないので実質ノーリスク。ボスの攻撃に合わせて叩き込んでやればよい。

後者はエフェクトによるHP消費を軽減する。消費の重い《始祖の血統》辺りを手軽に使えるようになるが、同じ経験点で「造血剤」を常備化した方が良かったりするのが悩みどころ。


・クロスブリード


×キュマイラ

素手しか使えなくなる《完全獣化》と素手装甲無視の《渇きの主》との相性は抜群。HPやガード値といった防御力も盛りやすいのでHP回復効果も嬉しい。

《赫き剣》を扱うビルドならば高い武器攻撃力から《復讐の刃》を叩き込む構成もなかなか。どうせなら《フルパワーアタック》なんかも積んでいいだろう。


×エグザイル

似たもの同士に違わずなかなかの好相性。キュマイラ同様に素手を強化するエフェクトが多く、もちろん赫き剣で殴っても問題ない。

しかし両者ともにガード値を積む手段に乏しいので、耐久型をするならHPと回復に頼る必要がある。もっともそこまでして耐久に降る必要があるかは疑問だが。


×ハヌマーン

能力値は【感覚】寄りだがエフェクト的には白兵向き。

一応RCも出来ないことは無いが、RCデバフを組み合わせてしまうとせっかくのシーン攻撃である《サイレンの魔女》の範囲が縮小されてしまうのが大きな悩みどころ。


×モルフェウス

能力値からして素直に射撃型をすれば問題はない。装甲無視も《ペネトレイト》や《クリスタライズ》で代用できる。

白兵型も可能だが武器を破壊するエフェクトが多く、それらを運用するならば毎ターンHPを消費して作り直す必要があるのであんまりおすすめできない。

が、BC掲載の《赫き猟銃》は作成時のHPコストが不要なので、武器破壊エフェクトを遺憾無く乗せることができる。


×ノイマン

《コントロールソート》が絡むこと以外、言うことは他の白兵屋や射撃屋とあんまり変わりない。【精神】が4になるとはいえ、RC型はかなり上級者向けであろう。

かなりネタ臭くなるが、オリジン:レジェンドのRBで《死者の肉体》によるドッジを狙うビルドなんてのも一興。ついでに《生き字引》も取ってしまえば無駄がない。


×オルクス

《棘の縛め》、《要の陣形》、《縛鎖の空間》などの存在から、デバフ狙いのRC型がそこそこ優秀。火力を出したいなら《完全なる世界》も外せない。

単純火力ならリミットエフェクト込みの《赫き剣》を《オーバーロード》するのが最強。ダイスに不安が残るが、そこは《鮮血の一撃》で無理矢理補強してやればいい。


×サラマンダー

射程延長の《フレイムタン》、ガード強化の《氷盾》、火力増強の《クロスバースト》などが揃った、攻防両立の優秀な白兵屋が無難。

RC型は単体系デバフを《災厄の炎》で無理矢理範囲化しつつ火力を盛るとよい。


×ソラリス

能力値からRCによるデバフ型や支援型を選びたくなるところだが、ダイス増強に長けた《鮮血の一撃》の存在から意外と白兵向きでもある。

ブラム=ストーカー/オルクス同様【肉体】が1だが、RC型はダイスを増やす手段に乏しいので実際のところダイス面はどっこいどっこい。


・トライブリード

基本的にクロスと変わらず、やはり白兵(と射撃)が強い。メインの係数3火力である《破壊の血》や《生命吸収》の最大レベルが軒並み5で、火力が比較的出しやすいのが強み。

ブラムの100%エフェクトは《始祖の血統》以外にはあんまり用がないと思われるので、そういう意味でもトライブリードでは使いやすいシンドロームと言える。

他のシンドロームからHP増強やガードエフェクトを引っ張り出してこれば無類の粘り強さを発揮できるだろう。そう、その最たる例こそが彼―――"ディアボロス"春日恭二である。


・気になるエフェクトピックアップ


《赫き剣》/《赫き猟銃》(BC掲載)/《破壊の血》(リミットエフェクト)

HPを食うが非常に高い火力を持つ武器作成エフェクト。リミットエフェクトの《破壊の血》を含めれば攻撃力は+30にも易々と届く。

普通に使っても普通に強いが、その真価は《ポルターガイスト》や《オーバーロード》といった武器攻撃力を代入するエフェクトで発揮される。

BCで射撃武器版の《赫き猟銃》が追加され、採用環境では更に暴れ回ることとなった。少しは自重してもいいんじゃないかなぁこれ。


《赫き弾》/《追撃の魔弾》(BC掲載/リミットエフェクト)

起点になることとHPを消費すること以外は特筆することのない係数2火力エフェクトだが、BC採用環境で化ける。

リミットエフェクト《追撃の魔弾》は簡易版《ライトスピード》といったもの。制限もさして気になるようなものではないだろう。


《渇きの主》/《朱色の大斧》(HR掲載/リミットエフェクト)

素手装甲無視+HP回復エフェクト。EAの改定で《赫き剣》にも乗るようになり、キュマイラでなければ大抵はそちらとセットで運用されることになる。

リミットエフェクトは係数4火力と中々の効果だが、性質上立ち上がりが遅く耐久に振らなければ《渇きの主》自体にレベルを振るうま味が少ないのが痛い。


《鮮血の一撃》/《滅びの一矢》

前者は〈白兵〉、後者は〈射撃〉のダイスを増やす。緩い侵蝕、高い係数、最大レベル5と至れり尽くせりの性能だが、HPを消費するので《リザレクト》周りと相談する必要あり。


《血色の花嫁》/《紅のベーゼ》(RW掲載)

前者は仲間にHP消費を肩代わりさせるという平々凡々なエフェクトだが、問題は後者。対象からHPを奪って最大HPを増やすという内容なのだが、なんと係数10である。

おまけにどちらのエフェクトも自身に使えないとは書いてないので、「造血剤」でHPの喪失を踏み倒せばシーン中のみではあるものの、自己完結で圧倒的な耐久力増強が可能。

自力でHPを増やす手段に乏しいサラマンダー辺りとの相性が良好である。


《血の宴》/《殺戮領域》(リミットエフェクト)

範囲(選択)化エフェクト。しれっと同エンゲージ不可やらがついておらず、ウロボロスの《混色の氾濫》を除けば唯一の技能:シンドロームかつデメリットや制限無しのそれである。

リミットエフェクトは攻撃力+10と固定値上昇なので、どちらかといえばクロスかトライ向けと思われる。


《蝕む赤》

RCで邪毒を与える。実質的に係数3のダメージであり、侵蝕が1と圧倒的に低く、ついでに《死神の瞳》のようなダメージを与えられないデバフとも両立する。

ただし複数回行動を行うビルドであれば最初の1回でしか意味をなさない、というデメリットがあることには留意すべし。


《生命吸収》(制限:80%)

攻撃した対象のHPを吸収する実質係数3火力。この手のエフェクトにしては珍しく、最大レベルが5である。使用回数もシナリオ3回と申し分ない。

《渇きの主》とは異なり対象の数だけHPを回復出来るので、対象を増やせば手軽にとんでもない回復量となる耐久型垂涎のシロモノ。


《ブラッドバーン》(制限:80%)

HP消費が5とそれなりに重いものの、係数4火力は強い。《クロスバースト》などと違ってダイス減少のデメリットもないのでHPにさえ気をつければかなり使いやすいだろう。


《始祖の血統》(制限:100%)

《ブラッドバーン》と同じくHP5消費が重いが、ダイスを[Lv×2]個も増加させてしまうエフェクト。とはいえ両方積むと流石にキツイのでご利用は計画的に。

侵蝕率ボーナスを含めれば100%時点でそこそこ命中ダイスは稼げるが、それにしても係数がでかいので安定重視のジャームは取っていいかも。


《災いの魔剣》(RW掲載/制限:100%)

HPを残り1まで失い、その分だけ攻撃力に追加する(上限あり)トンデモエフェクト。HPを残り1にする効果の方はDロイス:復讐者との相性が抜群。

誠に残念ながらDロイス:亜純血で《雷鳴の申し子》と両立させる事はできない。


《ハイブリーディング》(RW掲載/制限:120%)

自身にしか使えない上にHPを失うものの、《帰還の声》同様回数制限を回復する希少なエフェクト。《時の棺》やらの回数も増えるので切り札持ちのビルドで輝く。

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