コラム

ドッジ両立型のススメ

言わずと知れた死にゲーであるダブルクロスにおいて、防御周りが重視されるといったことはほとんどない。ドッジについて考えたこともない御方もいるかもしれない。

それは何故か?理由は簡単、ドッジするリソースを火力につぎ込む方が強いからだ。そっちの方が戦闘も早く終わり、結果的に切るロイスの数も減るからだ。


しかしドッジは決まれば気持ちが良い。時には敵の攻撃をひょいひょいと避ける強キャラRPがしたいだろう。

――筆者も、そんなドッジ型に魅了されてしまった者の一人である。というわけで、ここではドッジ型について解説を行うことにする。

なお、ドッジ関連は基本ルルブ環境だとあまりにも貧弱なので、少なくともDロイスを採用できる上級とエフェクトの選択肢が大幅に増えるEAは採用環境であることが好ましい。


・恒常的なダイス数を出来る限り稼ごう

先程も述べた通り、一度あたりのドッジの侵蝕率は抑えなければならない。目安としては一度のドッジで「5」以下には抑えたい。

一度組んでみればお分かりいただける通り、一度のドッジで侵蝕がぐんぐん上がっていれば元も子もない。

そこで、セットアップステップなりマイナーアクションなり、あるいは常時ダイスを増やす手段が必要になってくるのだ。

例を挙げればラウンドやシーン単位で持続するバフエフェクト、一部のユニークアイテムやエンブレムのダイス増加効果がある。

そして最終手段としては能力値そのものを上げることだろう。ドッジを両立するならば能力値振りは現実的な手段になりうるのだ。


・固定値を盛ろう

安定してドッジを狙うにはある程度の固定値も必要である。とはいえ、初期作成だと技能4点の壁が厚い。

必須ではないが可能であれば《ハードワイヤード》、《オリジン:〇〇》、その他Dロイスによる補強も考えよう。

なお、追加経験点のある環境ならば迷わず技能レベルに振ってもよい。目安としては固定値10程度だろう。

なお、あくまで目安なのでその辺りは読者の諸君のプレイスタイル次第でも一向に構わない。


・出来る限り使う技能かエフェクトを合わせよう

PCをビルドするにあたってリソースはかなり限られている。ならばそのリソースを出来る限り共用した方が経験点の節約になることは言うまでもない。

技能なら《ゲットダウン》《切り払い》《幸運の守護》《命の盾》など、エフェクトなら例えばリアクションとしても使える《炎神の怒り》の辺りが候補だろう。


・各シンドロームとドッジ両立型


「エンジェルハィロゥ」(適性:★★★)

元々ドッジに適性が高いシンドローム故に両立型もそつなくこなす。攻撃力がやや下がるが《ミラーイメージ》の存在も大きい。

ただし《神の眼》では攻撃技能以外にも〈知覚〉に技能Lvを振る必要が出てくるのが難点。そうやすやすと両方10振りもできないだろう。

ブラックドッグの《ゲットダウン》を引っ張り出すか《オリジン:プラント》による解決が最も手っ取り早いか。


「バロール」(適性:★☆☆)

これ単体ではドッジへの適性は皆無。一応RW採用環境ならラウンド持続ダイス+5個の《解放の宴》もあるが、他シンドロームによるフォローは必須。


「ブラックドッグ」(適性:★★★)

《ハードワイヤード》とEA採用環境なら《ゲットダウン》《見えざる僕》が強烈。これらを取得するためだけにブラックドッグのクロスかトライにする理由が出てくるほど。

ダイスの増加には圧倒的係数の《フルインストール》もあるが、ラウンド持続のシナリオ1回なので慎重に考えるべし。


「ブラム=ストーカー」(適性:★☆☆)

HP消費が痛いが侵蝕1でC値-1(下限6)がついてくる《血霧の盾》が強力。逆にそれ以外はあんまり……といったところ。

ネタであればノイマン辺りを相方にして《死者の肉体》を使ってみるのもアリかもしれない。


「キュマイラ」(適性:★★☆)

《完全獣化》がとにかく強い。大穴で《鷹の翼》などもある。ただしドッジエフェクトに乏しいので、相方にブラックドッグかハヌマーン辺りを持ってくるべし。

マイナーアクションを必要とするエフェクトが多く行動値が低くなりがち故に立ち上がりは遅いが、一部のエフェクトやDロイスで改善可能なのが救い。


「エグザイル」(適性:★☆☆)

ドッジエフェクトが〈回避〉のダイスを増やす《蛇の動き》程度しかないので適性は無いに等しい。

ピュアブリードなら後出しでドッジの達成値を上げる《マルチアタック》がないこともないが、素直にガード屋をするべきだろう。


「ハヌマーン」(適性:★★☆)

EA掲載の《切り払い》が唸るほど強く、他のエフェクトも加わって白兵屋をがっつりサポートする。

一方で恒常的なダイスの増加手段に乏しいのでそこは他シンドロームなどに頼る必要が出てくるか。


「モルフェウス」(適性:★★☆)

最上級のラウンド持続ダイスバフ《サポートデバイス》の存在こそが両立型モルフェウスの全てといっても過言ではない。

これによって命中と回避のダイスをいとも容易く両立することができる。ドッジの技能を〈白兵〉や〈射撃〉にすれば更に効果的。

モルフェウス単体であればドッジへの適性は普通だが、両立したいならば是非とも握っておきたいシンドローム。

なお《砂の守護》で〈RC〉や、半分ネタになるが《エースドライバー》で〈運転:〇〇〉によるドッジも可能である。ネタなりに強いので試してみたい方は是非。


「ノイマン」(適性:★★☆)

エグザイルと同様の理由でこちらも単体ではドッジ適性はほとんど無い。ピュアなら素直に《カウンター》でもすべし。

しかし他のシンドロームと組み合わせれば、後出しできる《勝利の女神》が輝いたりするので一概には言えない。

【精神】が高いので〈RC〉でドッジ可能なブラックドッグ、モルフェウス、オルクス、ウロボロス辺りと組み合わせるのと良いだろう。

――であったのも過去の話。RWCEにて〈交渉〉を【精神】に代替する《理知の城壁》が追加されてしまった。これによって新たな頭脳プレイの道が開ける……かも。


「オルクス」(適性:★★★)

これ単体でもRCドッジ型の完成形と言える。最大レベル5のRCダイスバフ《得意領域》にドッジ置換の《幸運の守護》が強い。

《運命の切り替え》を使えば味方のロイスを守ることができ、おまけの《妖精の手》付きである。


「サラマンダー」(適性:★★☆)

HP消費こそあるが、リアクションにも使える《炎神の怒り》《氷神の悲しみ》がなかなか強力。

ただし本業のガード屋の方が強いのでは、というのが実情だったりはする。


「ソラリス」(適性:★★☆)

《命の盾》によって高い【社会】を活かしたドッジが可能。無論攻撃にも転用できる。

オートアクションのエフェクトが多いためそれに魅力を感じるならば悪い選択肢ではない。


「ウロボロス」(適性:★★★)

ウロボロスなので強い。【精神】が高い上に《背徳の理》のダイス増加が乗るのでRC置換の《浄玻璃の鏡》の使用が推奨される。

RUを採用できるならばアージエフェクト取得によって暴走の効果を変更して《極限暴走》を取得するのもひとつの手。

無論、原初シリーズで今まで挙げた他シンドロームのエフェクトを持ってくるのもアリだが、ウロボロスの例に漏れず侵蝕率には注意が必要。


「一般エフェクト」

RBならばオリジン系が強力。《オリジン:プラント》は【感覚】、《オリジン:レジェンド》は【精神】、《オリジン:サイバー》は【社会】の固定値を底上げできる。

タイミングがマイナーアクションなのでワンテンポ遅れることは多いが、Lv1が無料であることは大きい。


・相性の良いDロイス

「変異種」

専用エフェクトの中でもオルクスの《万色の檻》がなかなか強い。ただ変異種そのものはダイスが恒常的に減少するため、相性はむしろ悪い部類に入るので注意。


「実験体」

手軽にダイスを4個も盛ることができる。フレーバーも組織関係者なら難しいものではなく、多くの両立型で第一候補になりうるだろう。


「戦闘用人格」

こちらもきっちりドッジにも乗る。100%以上限定だがダイスが+5個されるが、バックトラックのダイスが減ることには留意されたし。


「複製体」

《ハードワイヤード》が猛威を振るう。両立型が欲しい固定値をがっつり盛れる上に武器のおまけ付き。


「精鋭」

UGNチルドレン専用だが、手軽に固定値を+5できる。固定値は裏切らない。

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