あの日の彼女と再び冒険の旅へ。失われた「大人の彼女」を取り戻すために。

無気力なその日暮らしを送るフリーター、水無瀬錦。
昔は、勉強がよくできて、ゲームでも要領がよくて、
年上の幼なじみである響子からも頼られるくらいで。
ただ、思い切りが足りないという欠点は、昔からだ。

錦は、一緒にゲームをプレイする響子が好きだった。
でも、初恋は、何も言えないまま途切れてしまった。
そんなほろ苦い思い出が、意外な形で再び動き出す。
ばらばらになった響子のかけらを集める旅が始まる。

作中では、実在するゲームとそれにまつわる思い出、
そして錦と響子の現在がリンクして、話が進行する。
私は錦たちとドンピシャ同世代という訳ではないが、
RPGあるあるな雰囲気とか感触とかメッチャわかる!

DQ、FF、聖剣といった名作を年代順にプレイして、
ストーリーやシステム、キャラクターを鏡とすれば、
そこに映る自分の姿が次第にはっきりと見えてくる。
響子の「成長」と共に、錦もまた変わり始めて──。

すーっと染み込んでくるみたいな柔らかな語り口が、
錦の人柄をそのまま表現しているように感じられる。
あちこちに愛着あふれる実感が込められていました。
連載が終わってしまい、ホッとしつつも寂しいです。

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