物語(歌)が、心にしみる

重厚なストーリーと緻密な描写でつづられる、ハートフルファンタジー。

ご都合主義もチートもない、異世界転生というテンプレートな導入からは想像できない、リアルな少年像とその心に寄りそった物語が、読者の心も揺さぶることは間違いない。

『聖歌』などの印象的なギミックが読者の興味を引き、なおかつストーリーの重要な根幹にかかわることを匂わせる。

細部まで気を配り、こだわりを持って設計された物語には、時間を忘れて引き込まれずにはいられなかった。

この作品は、誰もが抱える「傷ついた少年・少女」に寄りそう、慰めの歌であり、背中を押す応援歌だ。

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