二人の本心はどこにある? 使命と愛のはざまで揺れ動く彼女らの未来は……

みんなの上に立つ者としての自分。ひとりの人間としての自分。
ひとは誰しもしがらみにとらわれて生きるものですが、王族である二人にとってはそれがとりわけ重い。
敵対するふたつの国、水の国の王女であるフェンと、火の国の王子であるアッシュ。
二人の恋はある意味ロミオとジュリエットで、本人たちは自分たちは結ばれてはいけないのだということを分かっている。
でもどうしても惹かれていく。人間だから。個人としては、互いを深く愛しているのです。

二人は協力し合って国内の難事件を解決していきます。
最初は金のためだった付き合いも、いつしかきずなとなり、愛となります。
しかしその数々の事件も、すべてが水の国と火の国の対立に収束していく。
その一線の上に立った時、二人は王族としての責務を果たすために生きることを選びました。
責任感が強すぎる。すべてを放り出して手と手を取り合って駆け落ちしてほしい!――と無責任な読者は思ってしまいますが、それをしない二人だと分かっているから好きなんだよな~!

二人がふたたび一緒にいられる日が来ることを待ちわびつつ、続きも楽しみにしています。

(第4章最終話、42話まで拝読した段階でのレビューです)

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