眠れる不良中年魔術師を目覚めさせた、苦労性な王子の壮大な冒険譚!

 王国の財政難と自身の運命を切り開くため(?)、塔の最上階に眠る姫を目覚めさせるはずが、そこに眠っていたのは美しい銀髪の——おっさん?!

 最初からハイスピードで畳み掛けるような、想像もつかない展開と、ツッコミとボケが入り混じる勤労王子のアレンの独白、そして、なぜか塔で眠っていた不良中年魔術師シグルトのかけ合いがもうたまりません。
 前半の何ともひたすら楽しい展開から、全てがつながっていく後半の物語のうねりに、結局最後まで一気に読み切ってしまいました。

 ともすれば暗くなりがちな展開のはずなのに、アレンの天性の才でしょうか、どこかその根底には明るさが保たれ、そして最後に「彼」に向けた心の底からの叫びに思わず泣きそうになってしまいました。

 凄い、の一言です。願わくば、この「運命の」二人のその後が読みたかったです……!

 素晴らしい作品をありがとうございました。本当におすすめです!

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