民を率いる者として、トラウマを抱える者として、乗り越えていく

異世界ものですが、実在の現代文明を「旧世界」として、既に滅んだあと形成された中世という感じなので、SFに近い作品だと思います。
常に政治的に大きな決断を迫られ、社会的には辣腕を振るうものの、個人のトラウマに悩み、生きることに悩む姿とのギャップが印象的です。
蛾の首飾りが助言して文明が復興してく様子は、リアリティがあり、手元にある材料と知恵で問題が解決していくごとに「おお!」と思います。
硬派で素敵な文章。
重厚な語り口の作品を読みたい方におすすめです。