恋愛結婚禁止法【短編・完結済】

作者 輝井永澄

70

26人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

凄まじい話ですよ。途中でやめずに一気読みすることをおすすめします。

はじめは、「絶対に恋愛に至らない相手としか結婚できないなんて、そこに生きる楽しみはあるのかな?」と思いながら読み始めました。
しかし、主人公の仕事や友人について、主人公が事実と感想を・見解を淡々と述べていくのを眺めるうち、自分の中でも価値観がシフトしていく(この世界に適応していく?)のを感じます。

常に理性的・合理的だった主人公が、物語の終盤で、怒涛の展開を見せます。
驚きと納得が入り混じる、不思議な感覚。

お見事としか言いようがない、★3つでは足りない作品でした。

★★★ Excellent!!!

現実と違うルールを適用することで、その世界の人物たちがどのように思考してどのように振る舞うかは、SFの魅力だと個人的に思っています。
そういった意味でこの作品はとても優れたルール設定と、その設定に対して非常に説得力のある人物描写ができていると感じました。

夫婦間の恋愛を禁止された時代という設定で一周ねじれた奇妙で、でもリアリティのある素晴らしいSF作品です。

一言で書くと「面白い!」

★★★ Excellent!!!

SFに分類されていますが、サイエンス・フィクションではなく、ソサエティ・フィクションです。科学が苦手な方も是非どうぞ。
司法書士ならぬ婚姻書士という職業が生まれる社会背景を見事に設定しています。その逆転の発想と緻密さは、サイエンス・フィクションのそれです。
配偶者との性行為は不倫で、恋愛したければ非配偶者としろ。この設定が斬新で、展開される物語も地道で秀逸。(他のレビューワー同様、作品紹介文に明記されているので、気持ち良くネタバレ的なコメントが出来ます。作者に感謝)
短編にはMAX2つが信条ですが、星3つ付けました。
(閲覧者へ)
作者の「不法就老」もお勧めです。奇抜な設定で社会を鋭く抉る処が似ています。淡々として落ち着いた雰囲気の本作品とは異なり、もっと陽気です。双方の雰囲気を比べてみるのも一興です。

★★ Very Good!!

シミュレーションの水準が非常に高く、結構マジに考えてしまいます。

見ようによってはディストピアでありますが、俺(にとって)は割とユートピアなんじゃあないかなとも思い、つまり実現可能性の高い予言の書であるのかも知れません。

万人に当てはまる制度はなく、従って結果は……ですが、これのめちゃめちゃ明るい版もアリだなとか、そういう感じに思考が拡張する話でした。

★★★ Excellent!!!

少子化の進む日本。
夫婦間の恋愛感情を排除し、夫婦間の避妊を禁止し、逆に結婚後の配偶者以外との恋愛関係を法律的に保証するという、新たな少子化対策の思考実験。
この法案の倫理的な是非は問われるものの、このようは発想は非常に面白いと思いました。
もっと膨らませて、長編小説にしても面白いかもしれません。

文章に安っぽさなどどこにもなく、大衆小説として、書店で見かける小説と遜色のない内容と思えます。

★★★ Excellent!!!

発想を形にして掘り下げ、世界にした思考実験は(そこにサイエンスはなくても)SFっぽいなと感じました。設定にはかなり説得力を感じさせられたのですが、どこか最後まで非現実感を払拭できなかった理由を考えてみると、例えば恋愛の「好きな人とずっと一緒にいたい」という多くの人にとって共感できる感情が否定されているせいかもしれません。そうだとしても、この作品を読むことでいろいろと考えさせられたことは間違いなく、苦もなく読み進められる文章の上手さもあって、良作だと思いました。次回作にも期待しています(なんだか上から目線の文体ですみません)