ヒーローとはこういうものなのか、と思うかも

 主人公の大学生赤尾雄一は文芸部に仮入部したつもりだったが、そこはそれを隠れ蓑にした違うものだった。
 一見中学生に見えるちっこい部長、桃宮胡桃はお悩み相談というか、正義のヒーローになりたいとか言う。
 赤尾はその後正式入部し、そして・・・・・・どうなるのかは、読んでからのお楽しみという事で。

 冒頭にあった赤尾の少年時代の出来事。
 ヒーローになろうとする夢を砕かれ傷つき、それでヒーローが嫌いになり、ずっと・・・・・・
 もしかすると人生のどこかで、彼と似たような経験をされた方もいるのではないでしょうか。

 それともしあんな教師がいたら子供の頃ならともかく、今ならどうしてやろうかと思われるかも。
 
 読み進め、第一部の終盤でうるっと来ました。
 桃宮の行いでああなるとは。
 ヒーローとはこういうものなのかも、と思わせられます。
 諦めたものを再び戻せるような、そんな人が。

 あと副部長の茶原、強面なのに・・・・・・へえとなる事が。
 赤尾の親友竹沢、彼って理想の親友かも、となるのでは。
 
 最後まで読んで「良かった~、出来れば続編があったらいいのになあ」と思いましたが、それは欲張りすぎですね。
 
 読めば引き込まれ、色々と考えさせられる物語。
 皆様ぜひぜひ、読んでみてください。

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