ラブコメに興味がない人でも、ハマる。

変わらない毎日とその延長線上に望みを見いだせずにいた、死んではいないけど惰性で生きている凡庸なアラサーリーマン、優人。

そして何処にでもいるようなギャル系のJKでありながら、気づけばこの世のものではなくなってしまっていた少女、凪音。

二人の出会いは本当に些細なきっかけ。けれど、最初は取るに足らなかったその小さな変化が、やがてとてつもなく大きな波紋となって、生きることを忘れていた優人に、その感覚を再び教えてくれるのです。そしてやがてその変化は優人だけに留まらず、彼の同僚やそのきっかけを与えた凪音自身にまで波及して、果ては読者であるあなたの心にまで、何かを語りかけてくるでしょう。


またこのお話はとにかく読み易く、枯れた大地に水が染み込んでいくように、ごく自然にあなたの心の奥底にまで浸透していくと思います。

そして誰しもが一度は胸に抱きながら、その奥底にしまったままの想いがあると思いますが、この物語を読んでいくうちに、あなたの中で忘れかけていた何かが、再び呼吸をし始めるかもしれません。

私はこれまで、ラブコメというジャンルには興味を持って触れたことすらなかったのですが、この作品には見事、ハマってしまいました。そこのあなたもぜひ、最初の一話だけでもまずは直接触れてみてください。

気づいたらもう、取り憑かれちゃっていますから。

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