2年前くらいに見たけど内容を今でも思い出せるのでレビューしました。
カルマの塔を端的に現すなら
・世界観・設定・内容の厚さ
この全てにおいてカクヨムのみならずライトノベルという枠組みの中の最高峰。まだ見ていない人は確実に見てほしい。今の王道とは違った昔の王道って感じの物語をイメージするといい(語彙力消失)
ただの孤児が世界を怨み、その恩讐の果てに王になる物語っ言うのがメインストーリー。
主人公が自分の志したことに真っ直ぐに進む姿はどこまでも狂気的で格好良い。
ご都合主義じゃないからこそ、負けたり、身近な人が亡くなったりする点もほんとに大好きな作品。
物語がしっかりしていて、主人公との関わりがハッキリしているからこそ身近な人が死んだ時の場面なんかは涙が出てくる。
主人公だけが輝くんじゃなくてモブの死、大切な人死、友の死全てが合わさってるからこその作品の輝きがみえる。
我儘を言うなら最終話で待ち続けてくれた2人と幸せな日々を過ごすというHappyENDで終わるifの物語も見て見たかった。
もう4回くらい読み返してます。こんなに文が綺麗で、人物描写が丁寧で作り込まれている作品を私は他に知りません。
ストラチェスの様に全ての人物に意味を持たせ、最後には壮大な世界という、歴史という盤面を創り上げる。高校生の時に出会い、本当に人生を変えた作品です。
内容は、ファンタジーな要素も含みながら、それらは表現方法の一つでしかなく、描かれている内容は現実世界の苦悩や、奮闘や、理想など、今を生きる私たちに突き刺さるものばかりだと思います。
作者さんの他の作品も同じ世界線の話であったり、全く別の作品であったり、色々楽しめると思うのでおすすめです。
好きなセリフは、「僕と君では父に対する重さが違うのかもしれない。でも、どれほど重くとも、今日死んだ兵士一人分の重さで等価だ。そして今日、いったいどれだけの兵が死んだかな。僕らの決断から始まったこの戦、君の判断から続いているこの戦、この中でどれだけ死んだか。そう考えたとき、僕は私事が掻き消えるほど、怖い思いになる」です。本当にこの戦いは痺れっぱなしでした!
七王国と呼ばれる国々が覇権を争う戦乱の時代、奴隷として生まれた少年が大切なものを奪われて世界に復讐する物語——要約するとありふれた設定になるのが本当に不思議でなりません。それ程に圧倒的でした。
読み進めていくうち、非情さと非情になり切れない優しさを併せ持つ主人公に魅了されたり、ライバルとの戦いの格好良さに胸を熱くしたり、ヒロインの愛と献身に涙したりと、忙しない感情の波に襲われることでしょう。ここまで感情を揺さぶられる小説に出会うことは、私の人生でほとんど初めてと言ってもいいくらいでした。無料で読めてしまうことが申し訳ないです。
主人公が抱く友人たちへの親愛、ヒロインたちが貫き通したエゴ、恋愛的な意味に留まらずさまざまな姿で登場する愛の深さ、大きさには本当に圧倒されます。主人公の選んだ道、そこにある愛、そして罪(カルマ)——。罪を積み上げ続けた先に何があるのか、ぜひ多くの人に見届けて欲しいと思います。
ある少年が、最初の最愛を奪っていったモノを憎み、
世界を憎み、神を憎み、そして人を愛した物語。
多くを言えばネタバレになるところも出てきてしまうので、
とにかく読んで欲しい。
あえていうなら、心根はどうしようもないほど優しくまじめで不器用な
人間だったのに、降りかかった理不尽がそれを塗りつぶし、その理不尽を
塗りつぶしていくために、多くを喪失する物語。
ちょっとグロテスクなところが匂い立つところもあったり、
本当になんでその選択しかできなかったの?と、感情移入していると
主人公に対して憎しみに似た何かを抱く場面もある。
それでも、読む手が止まらなかった。
ラノベ文庫サイズだと30巻を超える量の文字数。
多分、それですら膨大な筋書きの中から削ぎ落したのだろうと思えるほど
濃密な文章。
戦記物として、また、バトルモノとしても一級品であり、
読み手を選ぶところもあるだろうが、一先ず読んでみてほしいと言える大作。