一つ一つの文が詩の様に美しく、登場人物全員が好きになる。

もう4回くらい読み返してます。こんなに文が綺麗で、人物描写が丁寧で作り込まれている作品を私は他に知りません。
ストラチェスの様に全ての人物に意味を持たせ、最後には壮大な世界という、歴史という盤面を創り上げる。高校生の時に出会い、本当に人生を変えた作品です。
内容は、ファンタジーな要素も含みながら、それらは表現方法の一つでしかなく、描かれている内容は現実世界の苦悩や、奮闘や、理想など、今を生きる私たちに突き刺さるものばかりだと思います。
作者さんの他の作品も同じ世界線の話であったり、全く別の作品であったり、色々楽しめると思うのでおすすめです。
好きなセリフは、「僕と君では父に対する重さが違うのかもしれない。でも、どれほど重くとも、今日死んだ兵士一人分の重さで等価だ。そして今日、いったいどれだけの兵が死んだかな。僕らの決断から始まったこの戦、君の判断から続いているこの戦、この中でどれだけ死んだか。そう考えたとき、僕は私事が掻き消えるほど、怖い思いになる」です。本当にこの戦いは痺れっぱなしでした!