回想の中にある、色あせない恋。

宿泊施設の手伝いにやって来た主人公が、海辺でうみちゃんと出逢うお話。

情景描写に無駄なところがなく、極限までそぎ落として美しさ追求している感覚をうけました。とても文章が瑞々しい。

あだ名をつけ合うシーンの前、主人公の心の中では、はじめからうみちゃんは「うみちゃん」として語られています。
つまりはほほえましいシーンは回想。

それでも、セピア色にあせてしまわない甘くさわやかな回想。

優しくそよ風が吹くような。

美しい恋心と、その展開でした。