それぞれの苦悩を抱えて異世界に逃げた彼らだが……?

前半はまさに学園ドラマ。
主人公たちが楽しそうにTRPGなんかをやっている描写はほっこりしました。賑やかで、穏やかで、平和で、悩みなんて何もなさそうな彼ら。

中盤になってくると、実は彼らは彼らなりにリアルな悩みを抱えていました。
主人公は両親の喧嘩が絶えず、その友人も夢を否定され、上位の成績を維持するようプレッシャーをかけられ、家族を事故で失い……などの超シリアスな展開に。
前半までの平和さは一体どこへ?

さらに後半になってから本番の異世界転生を果たしますが、これもチートなんて何もなしにハードモード全開。
さらに友人は無残にも殺されてしまうし……辛すぎるこの展開。

そんな温度差で風邪引きそうな作品ですが、不思議とページを進む手が止められない。
個性豊かなキャラクターの裏に隠された悩み、そして文章の巧妙さがきっと読者を離さないでしょう。
前半・中盤・後半にかけての作風がガラリと変わるところは見所です!