目薬の百合

「目薬さして」

「またー?」


目薬は苦手だ、ということにしている。


「目あけててよ」


彼女が容器を構える。

わたしの目に照準を合わせて水滴を落とす。

目に入る直前、瞼を閉じた。


「あー、我慢してっていつも言ってるのに」

「ごめんごめん、次は我慢するから」


こうすれば、彼女と見つめあう時間が増える。

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