お鈴の百合

いまでも若いころの姿を保っている自慢の姉。ぱっちりとした二重瞼も、艶やかな黒髪も、透き通った肌も、高校生のころから変わっていない。


反対にわたしは自分自身の顔を毎朝鏡で見るたびにすこしさびしくなる。


それから、顔を洗ってお鈴を鳴らす。

今日で一万四千六百十回め。


いまでも自慢の双子の姉。

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