ほっこり、ほろりな、ぺんぎんファンタジー

ぺんぎんに転生してしまった主人公が、異世界で知り合った人々と物語を紡いでいく作品。

思わずクスクスと笑ってしまうコメディ要素が満載なのですが、所々に用意された感動が気持ちよく、読み手の心を掴んで放しません。

終始一貫された世界観は読み手の期待を裏切りません。
導入で面白いと感じたなら、絶対に最後まで読むべきです。後悔はしません。

また、描写や表現も小難しいものは一切なく、読者が一番想像しやすい言葉を選んでいますので、初めて本を読むと言う方でも、何の問題も無く読めると思います。

同時に、書く側の方にも是非読んで頂きたい。
「どうしてこんなに読みやすいのか」
「どうしてこんなに感動するのか」
「どうしてこんなに面白いのか」
一つ一つ研究されることをお勧めしたい。
ストーリー構成で必要不可欠な緩急や、世界観を構築するための表現技法が詰まった、コメディ異世界ファンタジーの教科書的作品とも言えます。


ただただページをめくる楽しさだけではなく、ラストカットに胸に込み上げる感動は、忙殺された幼き日の純心を思い出させてくれます。



「私は小説を読んで泣く事なんてないと思っていました。この作品を読むまでは」

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