日本書紀には、食を司る女神・保食神が登場する。彼女は吐き出すことで、食べ物を作っていた。それを見た月読命が、『無礼』だと言って切り捨て、その死体が五穀の元になったとされていますがーー。この物語は、その神話を全く別の解釈で、しかし日本神話を知っている人間ならうむむ、と唸らせてしまうようなものです。切なくて、おぞましくて、悲しくて、だからこそ、ああ、そういう風に終結出来たのね、と。豊受大神の話を読んで、納得したのです。
ツクヨミのタイトルに惹かれ、思わす見てしまいました。古事記や日本書紀では殆ど登場しない、ツクヨミの物語を作者さん独自の解釈で繋いでいったのが良かったです。
古事記でほとんど出番のない月読神を主役としたお話。恐れ多さもありますが、流麗かつ読みやすい文体でするすると最後まで読めました。大変面白かったです。
興味あるジャンルだったこともあり一気に読みました。神秘的な世界観が素敵。
流麗な文章と息詰まる展開に、一気に読み切ってしまいました。月読と保食神の繊細な交流が素敵です。この二柱の神の物語を、このように描くとは……!そして、天照大御神の恐ろしさに圧倒されました。太陽神という光溢れるイメージとは異なる、全てを容赦なく照らすような迫力があります。素戔嗚尊とのくだりでの冷徹なまでのしたたかさには息をのみました。
天照大神に怒られる(笑)まさかの怒涛の展開に驚いたけれど、天照大神の悪さがすごい。人間より人間の業にあふれてる。エロチックなところもうまいし、耽美的な良い一編だと思う。伊勢神宮に行く前に読んでおけば良かった。。。