超骨太なテーマに真っ向から挑んだ名作

これはヤバい。
正直、最初は一章まで読んだら感想書いて終わりにしようと思ってた。
二章の中盤まで読んでこれは完結まで読むだろうなと思った。
結局最後まで読んでしまった。よくこれだけの物語をたった20万文字強で綴れたなと感心しきり。

しっかりとサイエンスファンタジーしつつ人間とは何かというガツンとヘヴィなテーマにフォーカスし、一つの魅力的な結論を導き出した終盤のあのキャラのあの答えはカタルシスのお手本みたいなもの。

伏線の張り方も秀逸で、続きを読みたくなる気持ちをこれだけくすぐってくる人はそういないでしょう。更に意外なとこから殴ってくるのも得意で、特にあいつの正体が判明した時とか、オーフェンで自動人形が魔王スウェーデンボリー名乗った時とかチャイルドマンが自分の名前の由来呟いた時に比肩するレベルでわくわくさせられてしまった。

キャラクターもそれぞれ一人残らず個性的で魅力的で、特にヘヴィになりがちな展開をライトでパワフルでコミカルなキャラクターで蹴散らしてくれるお姫様は奇跡のバランス。

惜しむらくは終盤ちょっと致命的なシーンで致命的な誤字があって…超重要なボス戦で姫様が執拗に仲間殴っててこんなん絶対笑うわ!!