魔王の星の次の魔王

作者 十龍

76

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★★★ Excellent!!!

公務員の忙しさ、慣例や規則に縛られているところなどが、親近感があり共感できました。

ファンタジーって、読者である私たちとは違う世界が物語なので、共感しづらい部分があるんですが、このお話は公務員という視点から、主人公が組織でいかに消耗し、頑張っているか、ストレスを抱えながらも他者を気遣ったり、社会人として生きる私たちにとって非常に共感しやすくなっているところが、何よりの魅力なんだと思います。

それに、他の方も書かれているように、魔法の説明、国の描写、物語のテンポ、バランスがよく構成されています。

個人的には、ネロとロキ、この兄弟のネーミングがツボです。

しいて要望をいうならば、どこかの章でMAPをアスキーアートのように作っていただければ、1人のファンとしては嬉しいです。



★★★ Excellent!!!

これ、本当に読みやすくて面白いです。

あらすじを簡単に説明すると、国家資格を有する魔法使い組織『魔法師団』で国家公務員として働くネロ・リンミー。ある日、突如として国を襲った異常事態の調査を大魔導師サヴァランより命じられ、嫌々ながらも旅に出る。その先で待ち受けてるものは・・・?

まず何といっても描写の丁寧さが光ります。地図的な国の描写、政治的な主人公の立場、そして魔法の理論的な解説、どれをとっても繊細に丁寧に描かれていて、すべての情景が読み手にするっと伝わってきます。そして俺が一番好きなのが、

魔法がどう発動されるのかを、ひとつひとつ理論を交えながら説明してくれるところ!

これ、魔法使いを夢見たことのある人には嬉しい描写なんですよ!

呪文を唱えて精霊を呼ぶだけじゃなく、その魔法にどんな背景があるのか、魔法とはどうやって形成されるのか、それが描かれているのが本当に楽しい。しかも全然説明臭くなく物語にスルッと組み入れてくる。その描写で読者をワクワクさせながらも、ストーリー自体の展開は早くて飽きさせない。凄くいいバランスで物語が進んでいきます。このレビューを書いてる時点で24話まで進んでるんですが、一度読みだすとあっという間に全部読めちゃいます。それぐらい面白い。続きが気になるぜ・・・。

あとキャラクターがニヤニヤしちゃうんだよなー。

主人公のネロは国家公務員の下っ端として自分を擦り減らしながら生きてます。

実は家柄が良く双子の兄は市長という立場にコンプレックスを抱えつつも、上司の理不尽な命令も仕事だからと無難にこなし、自分の僅かな自由を大事にして、ヘラヘラしながらもなんだかんだ周りへの配慮を忘れられない、そんなヤツ。こんなのいいヤツに決まってんじゃん。しかも実は秘められた力がありそう・・・・。

そのネロが悪態ついたり迷惑そうにしながらも他人に親切にしたりしてる… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

魔法使いの公務員という設定がいいですね。
数ある職業あれど、公務員はなかなか聞きません。
で、主人公の性格もスマートですね。
熱くないわけではないけどスマートである。それゆえ大人びた上に立つものの風格を感じさせます。
世界観もとても練られていて、わかりやすく説明がされてます。
それが邪魔になるわけでもなく、読み手にちょうどいいとさえも思わせます。
作りがとても丁寧でどういう世界でこの獣はどこにいるんだ、この魔法はこうなんだ、ここはこういうところなんだという事をわかりやすく教えてくれます。
総評します。
世界観がわかりやすい優しいライトノベルです。
残念なところは続きが気になってしまうところですね(´・ω・`)

★★ Very Good!!

最新話まで読ませていただきました。
1話1話がちょうどいい長さで、キレのいい所で終わっているのでとても読みやすかったです。
世界観もしっかり練ってあるように思います。プロットもかなり先まで作ってあるのが分かります(というかなろうではもっと更新されてるんですね! 読んできます)。

双子の会話、とても面白かったです。
もし良ければ、冒頭に幼少のネロとロキの話を入れてみてはいかがでしょうか。世界観にも繋がる2人だと思いますので、話に入りやすくなるかと思います(あと私が読みたいと思ったのです。よろしくお願いします)。

★★★ Excellent!!!

現在更新分の第24話までを、一気に読ませて頂きました。

バランスの取れた文体で読みやすく軽すぎず、全体を通して鮮やかな描写がなされています。
絶妙に調和している個性的な世界観、そこに生きるキャラクターの人間味。とても魅力的です。
読み始めた時は、数回に分けて読ませて頂こうと思っていたのですが、気付けば最新話まで駆け抜けてしまいました。

物語の終焉まで、彼らとご一緒させて頂こうと思います。
続きを楽しみにしています。

★★ Very Good!!

魔術師の公務員、ということでかなり期待をもって読ませていただきました。

最初から謎の魔力の波動から始まり、混迷を極める所内の中、ひっそりと密命を受けた平社員は実はかなりの実力者だった――というのは中々にグッと来ます。育ちもよく趣味半分の薬草調合術も良いエッセンスとなって物語に溶け込んでいます。

また主人公の魔法バトルについても中々面白い。都合上数ターン程度の戦いではありますが、文章力がありほう、と楽しめるものでした。

ただここは辛いかな、というところは散見されます。

まず一つに、世界観が定まっていないこと。今のところ近代技術と魔術文化が並行して存在しているものには思えますが、冒険者たちの描写と文明レベルが中世以下。主人公の職場と最前線の描写も相まってとてもチグハグしています。

次に20話あたりからストーリーが完全に停滞していて、とてもダレているところ。展開も平坦でさっさと村に行けば良いのにと思い、ここで読者が離れてしまうのはとても惜しいと思います。さらに言えばこのあたりで主人公の公務員魔術師であるというメリットが完全に霧散しています。

最後にいちばん大切な第一話で世界説明からスタートしているので、1話切りがとても多いのではないかという懸念。半分くらいなら全然許容範囲内ですが、それ以上に人が離れているならばこの話を主人公の動きのあるシーンに差し替えないと、せっかく糸を紡いだような丁寧な世界も読まれずじまいで終わってしまいます。それはがとても、とても惜しい。

ただそれでもゆっくりとどこか懐かしいハイファンタジーでありながら、肩身の狭い、だけどメッチャクチャ強いという今流行りの理想像を描いている本作はとても魅力的。続きを楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

 魔法師団が冒険小説の悪役にされる。この設定を見た時にこの物語が奥行きの深い世界観の下にあることを確信した。こういうの大好き。
 役所勤めの公務員魔法師達の、法律やら業務規程やら慣例やら世間体やらに振り回される様がリアルすぎて遠いファンタジー世界の話なのに身近さを感じて思わず応援したくなる。

 主人公のネロはそんな公務員の皆様の中でも人一倍苦労性なようで、頼りになるが故に個性豊かでアクの濃い周りの人々に振り回されている。公僕のボンボンでありながらも公務員オブザ公務員な彼は、強力な魔法師という実にファンタジーな存在であるにも関わらず、とても理論的かつ酷く現実的で客観的な人間に見える。個人的に、作者の手腕が凄まじいと思うのはこの部分じゃないだろうかと思う。

 例えばだが、彼が「勇者」という現実には無い架空の存在を(あるとても現実的な理由から)嫌っているというのも、この作品という架空の世界から冷静に一歩距離を置いているようで、それが我々読者という生身の世界と、主人公の距離を近少し近付けてくれているように思えるのだ。こういう演出の仕方もあるのかと膝を打つ思いだった。このように、主人公への感情移入を促す細やかな気配りがあちこちに盛り込まれている。そして、彼が勇者を嫌う理由があまりにまっとうかつ生々しくて、ちょっと笑ってしまった。

 先に少し触れたが、主人公を取り巻く周囲の人々も魅力的だ。なかなかいい性格をしている人物が多く、それに振り回されるネロという構図はユーモラスでくすりとさせられる。だがそれよりも感動させられるのは、よくある噛ませみたいな人間だったり、他の魔法師団支部の局員だったり、ぽっと出の行きずり冒険者だったり、そういう物語の脇にいる人たちがいちいち魅力的な点だ。無能がいない。正確には、能力のあるなしに関わらず登場人物が皆、独自の価値観・思考の下で自分で思考しながら… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

密命を帯びた公務員が調査におもむく。
そうとだけ書けば、警察小説みたいだが、ところがどっこいこの公務員は魔法使いなのだ。

抑制された文体だが、淡白すぎず硬すぎず、わかりやすくて読みやすい。たまにはっとするような表現や例えが出てきて文を追うだけでも面白い。
ベルトを外すのと同じくらいのめんどくささの魔法、なんて表現がさらっと出るのとか、かっこいいじゃない。

主人公ネロもとても人間臭くて、しかし凡百な奴というわけでなく、知識欲とか研究心みたいなものが強くて、振る舞いもスマート。まだ戦闘シーンはありませんでしたが、かっこよく戦ってくれそうな雰囲気で待ち遠しい。

細かなシーンの演出も丁寧だが、くどくはなく、物語への信頼を高めてくれる。
第一話での役所の混乱は、金融腐蝕列島やシンゴジラを彷彿とさせる、騒乱っぷりと用語の飛び交う楽しさ。
魔法陣修繕係の木っ端仕事の描写も、世界観に説得力を与えてくれて、主人公たちが一公務員であることを思い知らせてくれる。

そしてそう、この物語の全容はいまだ謎に包まれているのだ。衝撃波の正体、王宮はなにを隠しているのか、そして謎のタリスマン。

公務員魔法使いが密命を帯びて地方に出張、しかもその先に巨大な動乱が待ち受けてそうとあれば、これは俺の好みどストレートなのだが、それを差し引いても確実に今作品はめちゃくちゃ面白くなっていく。まだ序盤も序盤ですが、そんな確信がある。