時紡ぎと呪われた×××

作者 ながる

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★★★ Excellent!!!

昔むかし、この世の時を紡ぐ『時つむぎ』が、ある国のお姫様に恋をしました。ーーひとつの物語の異なる結末が、複数伝えられる世界。
「死なない体」を持つシェスティンは、ある特殊な事情から、ひとところに留まらない暮らしを送っていた。高値で取り引きされる「竜の鱗」を求め、彼女は「非常用食料」のウシガエルとともに出掛けたが、カエルには呪いがかかっていた。


おとぎ話風に始まる物語です。呪われたカエル、竜、黒猫、人魚、妖精……と、登場する人物(?)やアイテムにも雰囲気がありますが、どうして、丁寧に創りこまれた異世界ファンタジーです。
戦う主人公のシャスティンが魅力的です。傭兵、黒猫スヴァット、竜ラヴロ、薬師トーレと、他の登場人物も個性的で、シャスティンをめぐる彼らの遣り取りが楽しかったです。
呪いをひとつひとつ解いていく過程で、シャスティンの閉ざされた心が解けていくさまは、爽快でした。
竜、黒猫などの人外キャラ好きな方に、お薦めします(犬派の私が転向しかけたほど、黒猫ちゃんが可愛かったのですが。ラヴロが人化した途端、ころっとそちらに傾いたのは、内緒です……)。

★★★ Excellent!!!

とある企画の一覧で知った本作。

本当になぜ、評価されていないのか不思議なくらい。
童話をモチーフに描かれたこの作品の世界観は、モチーフ通り童話風。
童話と聞けば、子供向けの穏やかな情景を想像するが、文章を追っている内に浮かんでくる世界は全く違う景色。

描き方一つを変えれば、冒頭で語られていた話が別の異界へと様変わりする。

非常に練られた設定で、細部まできちんと書き込まれている。

詳細は是非とも読んで確認してもらいたい。

個人的には主要人物のシェスティンに惹かれてしまった。

女主人公の作品は杜撰な扱いを受ける場面をしばしば目撃するが。
僕はこの作品を読んでみて、そんな事はない、と確信できた。

作りこまれた灰色の世界をこの機会にご覧ください。