『誰か』が『誰か』としての生を終える時、せめぎ合う想いに込み上げる。

5分後、小鳥遊さんに待ち受けているのは……人生において1、2を争うほどに大きな出来事でした。

その場へ居合わせれば、頬を濡らす人も当然いるのでしょう。その多くは、『感動』からでしょうか。
しかし百人百様、千差万別。それとはまた別の感情から、涙を零す人もいました。
そちらの――『小鳥遊さんたち』の涙の理由を想ってしまうと、自ずと胸が締め付けられてしまいます。

『小鳥遊結芽』がいなくなってしまうことで涙する人のために。
『小鳥遊結芽』としての生を終えさせた人のために。
何よりも……結芽さん自身のために。
惑うことなく、笑顔溢れる道を歩んでいって欲しい。そう切に願うばかりです。