とにかく温かいんです

物語の冒頭から、何やら寒風吹き荒ぶというか……。
冷たい風が心の隙間を通り抜けて行くんです。
そこに流れる空気は冷たく乾燥していて、主人公は年齢的に若いにもかかわらず、何故か人生が終わっているような、そんな悲壮感が漂っているんです。

そこに現れたのは、冷たい手を持った美しい女性。
彼女はその手の冷たさとは裏腹に、温かい言葉を人々にかけて行きます。
常に前向きな彼女と異なり、主人公は夢も希望もなく、失意のどん底に。

そんな中、彼女の言動がいきなり180度ひっくり返り……。

そこからの胸のすくような展開はお見事でした。
幸せな読後感に浸れる、温かい物語です。
どうぞ、本編でお確かめください。

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