介護ウォースパイト
今村駿一
介護疲れの日々に現れたその人
疲れた。
今日もシフト上は日勤9~18時だったのだが利用者様の食事に時間がかかってしまい、申し送りノートを書いていたら結局20時過ぎになってしまった。
でもしょうがない。
「利用者様達のお陰であなた達のお給料が出ているのだから」
施設長にいつも言われている言葉だ。
以前いたホームとは違い、残業代は出ないし、スタッフ数は少ないし、休みも求人票通りに出ない。
ずっと前にいたホームで働きたかった。
しかし経営が亡くなり、更に建物に致命的な欠陥が見つかってしまった為、内部留保が無いその老人ホームは閉鎖になってしまった。
仕方なく新たに就職したのがこの今務めている老人ホーム。
サービス残業、少なくて余裕のないスタッフ、そして『奉仕、ボランティア、元気』を求める経営者である施設長。
奴隷でも求めているのだろうか?
そんな気分で毎日を過ごす。
でもお年寄りのお世話は介護福祉士として手を抜くわけにはいかない。
そう思っていた。
そう、あの日までは。
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