第6話

ついにやってきてしまった主人公無双の終わり

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 父を見送った後、再び家に帰ってくるとお嬢さんはまだ寝ていました。朝食の頃には起きてくると思いますが、することもないので朝食の準備を手伝うことにします。ランジさんは朝食の前に少しだけ書類仕事があるようで、書斎に帰っていきました。

厨房に行ってみると、ここの料理人さん達が忙しそうに食材の運び入れを行っていたので、私も手伝いたい旨を伝えると大歓迎されました。まあ、料理に関しては素人なのでどうしようもありませんが、せめて材料の運び入れ位は手伝いましょう。ちなみに、厨房の主任はキュイズィーヌさんという女性のかたでした。若いのに立派ですね。


 特に大したこともないうちに、お嬢さんが起きだしてきました。給仕の手伝いを続けていたら、能力について聞かれたので、適当にあしらうことにします。お嬢さんは不満気でしたが、私が帰らなかったので聞くチャンスはまだあると思ったのか、いったん引いていきました。食堂で3人で朝食を開始し、中盤に差し掛かったところで、ランジさんが食事に入ってから初めて口を開きました。この家、よくわからないところが厳粛ですね。

ラ「さて、今後の予定だが、トゥジョワールちゃんには魔術学校に行ってもらおうと思う。」

私「私は別に構いませんが、父と母は賛成しているのですか?」

ラ「いや、ついさっき決めたばかりだから話していない。まあそれでも、アシェテール達だって、君を学校に通わせたいとは思っているだろうから、断ることはないだろう!すぐそこに魔術理論帝国学校があるんだが、君くらい優秀なら少し勉強すれば試験には受かるだろう。もちろん、娘も受けさせるし、あそこは完全な実力制から安心してくれ!」

ジ「え!?私も行くの?」

ラ「当然だろう?なんのために今まで家庭教師までつけて勉強してきたんだ?」

ジ「まあ、そりゃそうだけど...」

魔術理論学校、面白そうですね。魔術理論を学んで何の得になるかは知りませんが、将来も農民として生きていく可能性も少しは下がるでしょう。


 食後は町の祭りを今日も見て回ります。昼食までに戻ってくれば問題ないといわれたので、思う存分見て回ることができるでしょう。ちなみに、ジュディは勉強の範囲がまだ終わっていないらしく、家で勉強させられています。私も勉強した方がいいと思うんですが...。流石に何日も勇者が行軍しているわけではないようで、今日はもう戦闘訓練を始めたのだとか。どこからそんな情報を集めてくるんでしょうか、町の人は。飲食店を見て回るうち、急に私は路地裏が非常に気になってきました。いったいどうしたんでしょうか。路地裏なんて汚いだけだと思うんですが。まあ、時間もあるので路地裏に行ってみると、そこには一人の男の子が立っていました。まあ、服装は黒一色に所々赤を加えたもので、髪は茶髪ですね。服には紋様のようなものが描かれており、中心には光る禍々しい色をした球体がついています。そんなことはどうでもいいんですが、問題は彼が空中に胡坐をかいていることです。そして、こちらをじっと見つめています。なんでしょう、私に用でm.......!!?! 


 何故か目線がかなり低いです。先ほどまで見えていた汚れた地面が、すぐそこにあります。そして、心臓付近の体表面に無くてはならないものを奪われたように激しい痛みが走っています。何故これほどにも、私は冷静に状況を判断しているんしょう。本当は痛くてたまらないのに。そして、何で周りに薄い靄がかかっているんでしょう。なんで私の口からは、大量に体液が損なわれていっているんでしょう。なんでそのたいえきでぬれたゆかはこんなにもあかいんでしょう。

?「やっぱり、勇者なんかよりこっちの方がよほど大きい収穫だったね。これは貰っていくよ、トゥジョワール・エコリエ。ああ、名乗るのを忘れていたね。僕は...第135代魔王、エクシスと言う者だ」

私「あ な たは なにを 奪っ たの です か¿」

エ「君の、能力だよ。生まれ持った唯一のね」

私「返し て 下 さい」

エ「それは少しできない要求だね。僕はこれから、勇者に備えなくちゃならない。この能力の真価を発揮することができれば、勇者、果てはこの世界なんて簡単に消しされるだろうけど、生憎僕には無理だ。でも、それでもなお、この能力は強力だ。だから貰うんだよ。」

私「返し て 下 さい¡」

エ「どうやら、意志疎通が不可能なようだね。聞こえてるかわからないけど、またあうときは、この能力を使いこなせるようにしておくよ。じゃあ、また会おう。」

そう い うと、少年 は 空間 に溶 け込 むよ うに 消えて いきました 。そ して私に は真っ白にな った 世界 だけが 残り ました。


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6話で主人公無双は終わりです。エクシストンだとどうかと思うのでエクシスにしてみました。(エクシス豚みたいに思える)

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