医は仁術、狙撃も仁術。その一弾は、弱き者を救う!

 表の顔はやぶ医者。が、しかし、裏の顔は凄腕スナイパーである薮崎ハヤテを主人公とする超未来SF。

 作者得意とする、奇怪な世界観が、超銀河クラスの未来SFとマッチした突飛な設定はさすが。

 またストーリーも、不可能と思える狙撃を成功させて、すべてを引くり返す展開や、やぶ医者スナイパーという設定が、なにやら「破れ傘刀舟悪人狩り」やら「シティーハンター」やらを彷彿させてくれて、なかなかに楽しい。

 だが……!

 本作は電撃文庫新文芸コンテスト、「面白ければなんでもあり」、「いま電撃に足りないものはこれ」という募集に応じて書き下ろされた作品であるのだが、それに対する作者の解答が「下ネタ」であり、第一話、第二話とつづくうちに徐々に増え始めた下ネタが、第三話ではもう冒頭から全開状態。内容すべてピーな感じで書き上げられている。

 聞くところによると、電撃新文芸の対象は中高生だというから、下ネタが選考を通るとはぼくには到底思えないのだが、まことに残念なことに、「これ総て下ネタ」としかいいようにない第三話が、作中では格段に面白い! いや、たしかに、面白い!
 作者の下ネタ芸も、ここにとうとう至極に達したかと感心するとともに、これ内緒ですが結構興奮する(苦笑)。

 とはいえ、冷静な目で見て、本作が電撃文庫新文芸の編集部選考を突破するとは思えないが、もし本作が選考突破したとしたら、ぼくは作者よりも電撃編集部を尊敬する。