ワープゲート
「あったぞ、あれがワープゲートだ」
哲郎が指をさして後方を歩くジェームズに伝える。
二人がいるのは、先ほどまで隠れていた場所から離れたステージの中心、工場の裏側だ。
哲郎が言うには、脱出ゲートやロッカーなどは、見つけにくい場所にあることが多いそうで、かなり苦労して見つけた。
こちらも見つけるのに苦労したが、敵もまた見つけにくく、探すのに時間がかかったようだ。
おかげでここまでオリジナルと遭遇することなく、無事にやってこられた。
おまけにこの場所へ着くまでにあった魔法陣を一つ、二人であと少しのところまで無力化してきた。
完全に無力化してしまうと敵に居場所がバレてしまうので、あえてあと少しのところまでにしたのだ。
なぜそんなことをしたかという疑問が生まれるが、それはこれから哲郎が実行する作戦に必要な準備ということらしい。
現在、このフィールド内の主な状況は、生存者がジェームズと哲郎の二人、敵のオリジナルはステージ3、残りの魔法陣とワープゲートの魔法陣の位置は分かっている。
敵を倒すにはあまりに戦力が足りず、うまく敵をかわして魔法陣を無力化して脱出するにも、敵にとって唯一の不安要素であったワープゲートは見つかり、後は残りの魔法陣を守りつつ生存者を見つけて殺すだけとなった敵の周回は早く、とてもできそうにない。
いよいよ詰みという訳だ。
だが、まだ生存者にもやれることはあるという。
敵は現在魔法陣を守りつつ生存者を探し出すため最短ルートをひたすらに周回している。
同じルートをひたすらにぐるぐる回っているのだ。
そして、よほどのことがなければ敵がわざわざその周回ルートを外れることはない。
つまり、安全地帯が割り出せるのだ。
この状況は隠れて何かをするには都合がよく、こうして色々準備ができたのもすべて予定通りというわけだ。
そうしたことから、これから実行する作戦の準備を進めてきたという哲郎。
あとは実行するのみとなり、お互いのこれからの行動を考える会議を開いていた。
エンドレス・モンスターズ ベームズ @kanntory
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