決して行くことのできない場所へ、文章で赴く。

旅行記が好きです。ゴージャスなもの(著名な作家の豪遊記とか)から鄙びたものまで(つげ義春とか)。

そして、未知の場所に人が赴いたとき、なにが気になったのか、なにを(意識せずに)見たのか、が個性です。

作者が見た、少しだけズレた観光地。多分自分が鎌倉や下田へいっても同じような見方はしないのだろう。でも、行ってみたくなります。

「鎌倉いった」
「あ、俺も」
そんな風に僕たちは話しているけれど、僕と彼の鎌倉は、きっと違う。

行くことのできない場所を読む快楽。