経のような文体で描かれる、昔語りの根源。

 「かごめ かごめ、籠の中の とりは、いついつ――」という御馴染みの仄暗い歌からの贈り物。一瞬、経文を読んでいるのかとさえ思えた。
 愛について語り、人間について、語る。まるで、渦。
 異質な文章で、異質を語るという手腕。
 
 是非、ご一読ください。