「かごめ かごめ、籠の中の とりは、いついつ――」という御馴染みの仄暗い歌からの贈り物。一瞬、経文を読んでいるのかとさえ思えた。 愛について語り、人間について、語る。まるで、渦。 異質な文章で、異質を語るという手腕。 是非、ご一読ください。
どんなに清廉な言語であっても巧みに分解し再構築してしまう、悪夢の連想術師こと、愛創造氏が獲物に選んだのは童謡「かごめかごめ」かごめは本来「籠目」であるが、氏の手にかかれば「蠅の母」なる化け物と変じてしまう。「正面」の解釈にいたっては諸手をあげて全面降伏してしまった。歌詞の一つ一つがたわいもない同音異義語の言語遊戯にとどまらない。いつ、いつ、の解釈は異類婚姻譚的なニュアンスを感じる。そうか、読み込むほどに分かってきた。これは祝福されるべき愛の物語なのだ。