中身
愛創造
囁くもの
かごめ かごめ
かごの中のトリは
いつ いつ 出遭う
夜明けのバンに――夜明けも晩も壊された。私は此処で何を望むのか。破滅した世界など好奇も擽らず、其処等の死骸を踏み潰すのみ。故に私は唯一の人類と成り、地獄の底でも生命を維持すると決めたのだ。状況は最悪でも悪夢とは違い、誰も覚醒への導を為さぬ。残酷な現状は正しく闇黒で在り、只管に臭気を弄るだけ。統べられた世界も何れ滑り、
――異通 異通 出遭う
ええと。其処を覗けば理解可能だ。彼女こそが最も厄介な患者だと断言容易。ああ。始まったぞ。自分の腹を裂く為に暴れ狂う姿。正しく火を前に怯えた獣ども。症状が知りたいだって。先程説明した筈……ハイハイ。解りましたよ。特別に教えよう。彼女の脳味噌では【破滅した世界】が広がって在る。其処では回転する流動体――確か赤色だった――の怪物と化け物の木が存在して、自身は奴等を燃やし尽くす【蠅の母】云々。
――後ろの
遅かった。視ろ。彼女が僕等の脳味噌に気付いたぞ。お終いだ。詩も終を得た。ほら。君も彼女の双眸を覗くが好い。大きくて可愛い眼だろう。愛おしいほどに。あげないぞ。彼女は僕のものだ。僕の玩具だ。滅びた世界も蠅の母も嘘だって! 何を莫迦な事を。僕は
――蚊 仔 眼 蚊 仔 眼
私は化け
蠅の群れが木を貪る。
もう。私は解放され――たい。
かごめ かごめ
かごの中のトリは
いつ いつ 出遭う
夜明けの
中身 愛創造 @souzou_Love31535
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