終
家付き娘と目せられども、乞われて他家へとお嫁入り。その胸中のいかばかりかを、彼女は記しも語りもせなんだ。
しかれども
いくらか時代もうつろってのちに、かような言葉がこの海原の、深い深い水底にまで、聞こえ来ることの喜ばしさよ。
その頃、世間は焼け野原。
我らは神代の名残でしかなく、もはや祈りに縋るだけでは、この地に未来は見えもせず……であれば絆も、もはや縁切り。
金魚の身の上をかたどって、
人が神を手放して、我らが伴侶と
なればこそ。まず
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