女刑事にとってもっとも遠い場所――それは土俵!

京都府警捜査一課に所属する女刑事、神園薫(39歳)は、大相撲京都場所の土俵上で起きた大関殺害事件を捜査すべく土俵へ足を踏み入れ、女人禁制の掟に阻まれる。
死体をまともに検分することもできぬまま、事件の解決を目指すことになった薫だが……。

最近、出版界でも大相撲をネタにしたミステリが話題になったりしてますが、こちらもその大相撲ミステリジャンルの一作です。
なにより注目したいのは、古いしきたりや星を取り合う力士たちの感情が交錯する土俵を中心に据えて、そこに「女性」というインクを一滴投下したこと。

たったそれだけで物語はシニカルに染め上げられ、ある意味で被害者不在の殺人事件という、得も言われぬ混沌を生み出すわけです。

現在連載中なので事件の真相は気になりますが、描き出した“相撲×女性”の図式をどう畳んでくださるかは超気になりますね! 
みなさまも私とごいっしょに心躍らせましょうー。

(心の脇腹を抉る 3選/文=髙橋 剛)